2010.09.10 : 平成22年第3回定例会(第3日目)

【20番(中島資浩議員)】 まず初めに、群馬デスティネーションキャンペーンに向けた取り組みについてお尋ねいたしますが、このことについてはこれまでに多くの議員が取り上げておりますので、前置きはさておきまして、早速幾つかの提案も含めまして質問させていただきます。
 まず、第1に県内各市町村との連携強化についてでありますが、現状ではまことに残念ながら、本市単独で観光客を誘致するのはなかなか難しいと言わざるを得ません。そこで、せっかくの群馬DC開催を機会に県内各市町村との連携を強化し、本市への観光客を誘致すべきと考えますが、お考えをお伺いいたします。

【商工観光部長(諸岡恒利)】 観光客を滞留させるためにどうするか、また既に群馬に来ている観光客を前橋に誘客することが重要であると考えており、赤城山一つとって考えてみましても、渋川市、伊勢崎市など県央地域の近隣市町村や北面の沼田市などとの連携は必要であると考えております。また、群馬DCを契機に伊香保温泉などとの連携をしたいと考えております。以上です。

【20番(中島資浩議員)】 ぜひともそのような取り組みをお願いしたいと思います。
 第2に、新たな観光資源の掘り起こしについてでありますが、このところいわゆる観光需要に変化が見られると言われております。観光客は、観光名所をめぐる観光からその地域の歴史や文化に触れる体験型の観光を求める傾向にあるということであります。そこで、こういった観光需要に呼応した新たな観光資源の掘り起こしが必要と思いますが、お考えをお聞かせください。

【商工観光部長(諸岡恒利)】 それぞれの地域には、そこに住む人々による文化と歴史がございます。観光客は、他の地域を訪れることで日ごろの自分の生活から離れ、新たな発見や体験によって非日常を求めていると言われています。このことから、群馬DCのテーマであるわくわく体験新発見に沿った観光素材をそろえ、旅行エージェントなどに提供をしております。さらには、この観光素材を生かした観光プランを考えて観光業者等へ提案していきたいと考えております。以上です。

【20番(中島資浩議員)】 ぜひとも既成概念にとらわれることなく、市民公募するなどして潜在的な前橋の魅力を掘り起こしていただきますようにお願いいたします。
 第3に、観光ボランティアガイド制度の創設についてでありますが、本市は口語自由詩を確立した世界的詩人、萩原朔太郎生誕の地であり、また世界遺産、姫路城の歴代当主が眠る龍海院等数々の歴史的遺産がございます。また、市内を流々と流れる利根川や広瀬川があり、さらには昨年5月、富士見村との合併により歴史的に名高く、自然豊かな赤城山も本市の新たな観光資源として加わりました。そこで、本市を訪れた観光客にしっかりと前橋の魅力を伝えるために観光ボランティアによるガイドつき観光の受け皿づくりも必要と考えますが、お考えをお聞かせください。

【商工観光部長(諸岡恒利)】 観光客に訪れた先の歴史やエピソード、物語を伝えることで観光素材そのものの価値が高まり、話題性を高めることができると考えております。市民にとりましても自分たちの先人が何をしていたかを知ることでボランティアとしての興味がわき、前橋の魅力を自信を持って紹介できるきっかけになると思っております。市内には、観光ボランティアの組織が育ち、活動しておりますが、本年度前橋観光コンベンション協会と連携し、合同で研修会を行っている会が4団体あり、龍海院や臨江閣、ばら園などで観光ボランティアガイドとしてバスツアーの受け入れなどしていただき、観光で必要なおもてなしを実践していただいております。今後も関係団体と連携をして、さらに推進していきたいと考えております。以上です。

【20番(中島資浩議員)】 市内には、観光ボランティアの組織が育ち、4団体が活動しているということでありますけれども、群馬DCに向けて新たな人材を掘り起こすことも重要なことだと考えております。こちらも公募するなどしてソフト面である観光ボランティアの充実強化に取り組んでいただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
 第4に、市内観光地をめぐるマイバスの運行についてでありますが、群馬DC期間中、市内観光地をめぐるマイバスを運行することも観光客の誘致に向けた受け皿づくりの一案と考えますが、お考えをお聞かせください。

【商工観光部長(諸岡恒利)】 群馬DCに合わせて本市の観光素材をめぐるバス運行は、県観光国際協会や中部県民局が実証実験的に実施をしております。本市では、赤城山山頂までの直通バスを5月から運行しているほか、収穫体験などを組み込んだバスツアーを実施しております。さらに、観光素材を生かした施設めぐりなど観光バスプランなどを考え、旅行業者等に提案するなど関係団体と連携して検討してまいりたいと考えております。以上です。

【20番(中島資浩議員)】 このたびの群馬DCは、本市の観光振興を図る上で絶好の機会と考えております。群馬DCに向けて取り組んだことがこのイベント終了後につながりますように最大限のご尽力をお願いいたします。
 続きまして、ワクチン行政の現状と今後の取り組みについてお尋ねいたします。我が国は、世界の他の先進諸国と比べ、ワクチン政策が大変おくれているということであります。9月補正予算において本来は国として実施すべき事業であります子宮頸がん予防ワクチンの助成として5,100万円が計上されており、これについてはまさしく英断であると思います。WHOがすべての地域に向けて勧告するワクチンであっても我が国では法律上位置づけられていないものがあり、例えばインフルエンザ菌b型ワクチン、いわゆるヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン等を接種するには自己負担となっております。ワクチンで予防可能な疾病対策は、本来国がやるべきと思いますが、国が動き出すまでは県との連携、あるいは市単独でも進めるべきと考えます。そこで、その対象、費用負担の見込みと本市の考え方についてお聞かせください。

【健康部長(宮下雅夫)】 ワクチン行政に対する本市の取り組みでございますが、ワクチン政策は議員さんがおっしゃりますとおりWHOが中心となり、世界的規模ではしかなど共通の6種類程度の接種が進められており、それ以外のワクチンにつきましては各国の方針で決定をされております。国内では、予防接種を定期と任意に分け、定期の予防接種については予防接種法に基づき全額公費負担で市町村が実施しております。また、ここ数年の間に諸外国で使用しているワクチンの国内での承認が進んでおり、国内でも任意の予防接種として使用されることが多くなってきております。その一方、任意接種は1回の接種費用が高額であるため接種をちゅうちょする保護者も見受けられるため、本市では平成21年度からおたふく風邪、平成22年度からヒブワクチン及び75歳以上の肺炎球菌ワクチンの予防接種に対しまして接種費用の一部助成を行っているところでございます。本市で助成している予防接種の接種状況でございますが、おたふく風邪は2歳から4歳未満を対象にしており、平成21年度の接種実績は11.9%でございます。今年度から助成を開始したヒブワクチンは2歳未満の対象者に1回、大人の肺炎球菌は75歳以上を対象として1回助成をしているところでございます。
 次に、接種費用の見込みでございますけれども、接種率をヒブ30%、肺炎球菌10%と見込みますと、3種類で1,028万円ほどになります。これに全額助成の子宮頸がん予防ワクチンを合わせますと6,100万円ほどとなります。また、現在助成をしておりませんが、小児肺炎球菌ワクチンを助成対象としますと、ヒブワクチンと同様の接種率、助成率で考えますと、合計で6,460万円ほどになります。また、これらの任意の予防接種を全額公費負担と仮定しまして、また接種率が100%といたしますと、約8億3,000万円ほどかかる計算になります。本市としましては、財政状況も厳しい中、こうした任意予防接種の勧奨や公費助成につきましては国の動向を見ながら医師会とも協議し、対応を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。

【20番(中島資浩議員)】 この問題は、何よりも健康の問題であり、ワクチン接種により疾病を激減させることができるということは明らかであります。また、ワクチンは医療経済性が高く、医療費削減が可能であるということであります。先ほどのご答弁でもわかりますように、一部助成ですと、なかなか接種が進まないというのが実情であります。財政的な問題も重々承知しておりますけれども、特に子供を育てるなら前橋でといった観点から前向きなご検討をお願いしたいと思います。
 続きまして、小中学校をめぐる諸課題についてお尋ねいたします。まず、第1に学校給食についてでありますが、このたびの中央共同調理場廃止の決断は熟慮に熟慮を重ねた結果の妙案であり、時世に合った政策判断であると思います。しかし、今後予想される児童生徒数の減少を考えますと、この機会をとらえ、子供たちの教育環境の充実に取り組むことは一案であると考えております。そこで、今後の各共同調理場の老朽化を見据え、各小中学校の建てかえの際に調理場を設置する、いわゆるセンター方式から自校方式への転換が図れないものかと考えますが、お考えをお聞かせください。

【管理部長(戸塚良明)】 共同調理場の老朽化への対応につきましては、単に建てかえるだけでなく、今回の中央共同調理場の廃止及び分散化の考え方を示したとおり、費用対効果等あらゆる方向から検討し、最善、最良の方向性を見出していきたいというように考えております。これを踏まえますと、各小中学校への調理場設置につきましては、その効用は大きいものであることは承知をしておりますが、単独校方式への転換を伴うことになり、設置や運営にも大きな費用がかかることにつながることからも慎重に検討をする必要があるというように考えております。

【20番(中島資浩議員)】 ぜひこの機会に中長期的な視野に立って費用対効果あるいはメリット、デメリット等総合的な検討していただきますよう要望いたします。
 また、私は学校給食を重要な教育の一環として考えた場合、以前から学校における勉強机と食事をする机が同じであるということにはいささか疑問を感じておりました。できれば各小中学校にランチルームを設けられないかと考えますが、お考えをお聞かせください。

【管理部長(戸塚良明)】 ランチルームの設置につきましては、食事をする場所と勉強する教室とを分けるというご指摘は実際には家庭など一般的に取り入れられていることであることから、これを学校給食においても広く取り入れていくことは検討する余地のある課題というふうにとらえております。限られたスペースの有効活用と観点も踏まえながら今後研究してまいりたいと考えております。

【20番(中島資浩議員)】 あわせてご検討をお願いいたします。
 第2に、読書に親しむ環境づくりについてでありますが、ことしは国民読書年とのことであります。読書は、教育上、また子供たちの人間形成においても大変重要であると考えております。全小学校で希望に基づき市立図書館の図書利用カードを配布したことは、図書館の利用促進と本を読むきっかけづくりになったと考えております。しかし、家庭の事情により市立図書館や公民館、児童館に行けないケースや、地域によっては近くに図書館や公民館、児童館がない、いわゆる空白区域もあるようであります。そこで、教育委員会ではこれらの現状をどのように把握されているかお尋ねいたします。

【指導部長(清水弘己)】 本市におきましては、前橋市立図書館のほか、こども図書館、またさらには13の分館を設置するとともに、今年度からはその分館が日曜、祝日も開館するなど市民の方々がいつでも、どこでも身近に図書館を利用できる環境づくり、そういったものを行ってまいりました。現在総社地区、東地区、永明地区には分館がございませんが、この地域の公民館には停本所を設置しまして、また移動図書館が巡回してご利用いただいているところでございます。現在総社地区につきましては、平成23年度に総社公民館の建てかえに合わせまして総社分館を開館する予定でございます。また、その他の地域につきましても公民館の建てかえとあわせまして、分館設置を検討してまいりたいというふうに考えております。

【20番(中島資浩議員)】 空白地域については、公民館の建てかえとあわせて分館の設置を進めていくというご答弁でありますが、設置までにはまだまだ時間を要すると思われます。そこで、その間の対策として当面移動図書館を定期的に学校へ巡回させることも一案と考えますが、お考えをお聞かせください。

【指導部長(清水弘己)】 移動図書館は、図書館や分館が近くにない地域を中心に48カ所を2週間に1度巡回しております。そのうち永明地区は7カ所、東地区は11カ所の巡回箇所がございます。分館未設置の東、永明地区小中学校への移動図書館巡回につきましては、平成21年3月に策定いたしました前橋市子ども読書活動推進計画、この中で図書館や分館から遠い幼稚園、小学校の巡回を検討するというふうに記載させてもらっております。今後移動図書館の運行コースや運用方法等を研究してまいりたいというふうに考えております。

【20番(中島資浩議員)】 ぜひとも前向きなご検討をお願いしたいと思います。また、特に駒形小学校周辺がこういった空白地域になっているという声が寄せられております。その対策としては、何よりも子供たちに最も身近な学校図書館の充実だと考えております。そのためにも市立図書館との連携を図っていただきますようにお願いいたします。
 最後に、東地区の諸課題についてでありますが、その1つ目として東小中学校体育館の老朽化についてお尋ねいたします。このところ東小中学校保護者から両校体育館の老朽化を訴える声を耳にすることが多くございます。そこで、両校体育館についての現状認識と今後の考え方についてお伺いいたします。

【管理部長(戸塚良明)】 前橋市では、校舎の耐震化を優先に進めてまいりましたが、昨年度から体育館の耐震補強にも取り組んでおります。ご質問の東小学校ですが、昭和47年に建設された体育館であり、耐震性も劣ることから耐震補強工事を行う必要がありますが、学校敷地拡張の可能性を考慮し、検討してまいります。
 次に、東中学校ですが、昭和44年に建設された体育館であり、東小学校より築年数は経過しておりますが、築年数の優先順位で改築を計画しております。

【20番(中島資浩議員)】 東小学校体育館については、耐震性に問題がありながらも学校敷地拡張の問題との関係もあるようであります。いずれにせよ一日も早い対応に向けたご尽力をお願いしておきます。
 第2に、通学路の安全対策についてでありますが、ご案内のとおり東地区は狭隘道路が多く、通学路に指定されている路線においても車両のすれ違い時や児童生徒の通学時に支障を来しており、地域住民の方からも道路の拡幅や歩道の整備等、特に子供たちの安全確保の観点から通学路の安全対策を求める声が大きいわけでございます。そこで、通学路における道路の拡幅や歩道の整備についてお考えをお聞かせください。

【建設部長(牛込益次)】 通学路における道路拡幅や歩道整備についてでありますが、円滑な通行や児童生徒の安全確保の観点から、狭隘道路の解消や歩道の整備を地域の協力を得ながら進めているところであります。今後も現道の幅員や線形、交通量などを勘案し、地元の協力を得て安全、安心なまちづくりに努めてまいりたいと考えております。

【20番(中島資浩議員)】 ありがとうございました。
 以上ですべての質問を終わります。

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