2010.03.11 : 平成22年第1回定例会(第4日目)

【20番(中島資浩議員)】 まず初めに、中心市街地の諸問題についてお尋ねいたします。
 前橋プラザ元気21の設置により、中心市街地にも多くの方々が足を運ぶようになりました。このことは、中心市街地の空洞化が叫ばれる今日でも、市民ニーズに合致さえすれば人を呼び寄せることが可能になることを裏づけております。また、今後のまちづくりの方向性として、公共施設を初め、さまざまな施設を中心市街地に集積させる、いわゆるコンパクトシティーづくりが必要不可欠であるということも確信をいたしました。
 一方、それだけでイコール中心市街地のにぎわいにつながるとは限らないということもわかりました。真に中心市街地の活性化を実現するために最も大事なことは回遊性を高めることであり、それには拠点が前橋プラザ元気21だけでは厳しいということだと思います。そういった点からも、現在8番街に対する期待はますます高まっております。そこで、まず8番街の現状と今後の見通しについてお伺いいたします。また、回遊性を高めるために、各商店街の空き店舗を活用し、前橋プラザ元気21との有機的連動を図ることも有効と考えますが、ご所見をお伺いいたします。
 次に、環境政策についてお尋ねいたします。本市では平成16年に環境都市宣言を行い、循環型社会のシステムづくりに取り組んでおります。平成19年度の環境省、一般廃棄物処理事業実態調査の結果、速報版でございますけれども、こちらでは全市区町村の平均リサイクル率は20.3%、人口10万人以上50万人未満の都市で最もリサイクル率が高い都市は神奈川県の鎌倉市で47.6%とのことであります。
 一方、本市のリサイクル率は平成19年度の15.5%を最高に、昨年度は14.8%と全国平均を大分下回っておりますとともに、環境都市宣言を行った平成16年の15.4%と比較いたしましても、リサイクル率は伸び悩んでおります。平成16年の環境都市宣言以来、循環型社会のシステムづくりに取り組んできた都市としては、いささか寂しい気がいたしております。そこで、リサイクル率がなかなか思うように上がらない原因をどのように分析されているか、またリサイクル率を高めるための今後の取り組みについてお伺いいたします。
 次に、市営住宅についてお尋ねいたします。市営住宅は、当初戦災復興住宅として誕生したと承知をしております。それが後に福祉的見地での施策に形を変え、現在ではそれが定着しておりますが、福祉施策としての一定の意義はあるものと思います。しかし、時代も大きく変化し、民間の賃貸マンションやアパートもある中、これまでどおり市有地に市営住宅を建設し、維持管理や家賃の徴収も行うといったことを今後も継続して行うことにつきましては、いささか疑問を感じております。そこで、例えば民間で賄うことができる部分については、一定の条件により家賃の一部補助制度を設けるなどして、これまでの市営住宅政策を転換できないものかと考えますが、今後の市営住宅政策の考え方についてお伺いいたしまして、第1質問といたします。

【都市計画部長(小池茂)】 8番街区の現状と今後の見通しについてでございますが、中心市街地の再生に向けましたまちづくりの整備方針の策定や導入事業における事業主体の決定を行うため、今年度も引き続き独立行政法人都市再生機構へ調査業務を委託し、地元権利者や関係機関と8番街区整備検討会議を立ち上げ、協議、調整を図ってまいりました。しかしながら、経済不況の影響により大変厳しい状況となっております中、思うように商業施設等への事業参加者が集まらなかったため、具体的な自主事業の提案が得られず、当初スケジュールに沿った事業構想案の検討に進むことが困難となりました。そこで、今後につきましては、一たんはこの検討会を終了し、新たな事業参加者の掘り起こしに努め、まちづくりワーキングなどで意見交換を行いながら、事業構想案の検討を図るとともに、事業主体の絞り込みを行い、本地区の事業化につなげてまいりたいと考えております。

【商工観光部長(諸岡恒利)】 中心商店街の空き店舗の活用と前橋プラザ元気21の連動についてでございます。前橋プラザ元気21は、子供から高齢者まで幅広い世代の皆さんにご利用いただいております。中心商店街の空き店舗を活用し、元気21と連動させていくことは、中心市街地の回遊性を向上させるためにも、大切な視点であると思います。平成22年度において、熱血店舗開店支援事業の改善強化を図っていく予定ですが、例えば現在物販、飲食、サービスの3つの業種に限定している支援対象についても空き店舗のさらなる効果的な活用を促進していくため、柔軟に見直すなど事業効果を高める工夫を行いながら、個性と魅力ある店舗の開店を支援し、中心市街地の回遊性向上を図ってまいりたいと考えております。以上です。

【環境部長(関根長之)】 リサイクル率が上がらない原因と率を高めるための今後の取り組みということでございます。リサイクル率の高い自治体の例を見てみますと、古紙を有価物集団回収だけではなく、行政が資源としてごみ集積場所で回収を行う2本立てのところが古紙回収量が多く、リサイクル率も高くなっております。また、ごみの固形燃料化や焼却灰のスラグ化等による資源化を行うことで高いところもございます。こうしたことから、本市では古紙の分別回収がまだ十分でないことと焼却灰の資源化を行っていないため、現在のリサイクル率にとどまっているというふうに考えているところでございます。
 本年度、清掃工場に搬入されるごみの組成調査を実施しておりますが、可燃ごみの中から分別の徹底で資源化できるものといたしまして、紙類とプラ容器が二、三十%ほど含まれておりまして、特に紙類の混入が多い状況となってございます。このため、まず古紙の回収量をふやしていくことがリサイクル率を高めることにつながっていくというふうに考えております。これまでも有価物集団回収、紙リサイクル10万人キャンペーン、わが町リサイクル庫の設置補助などの取り組みを進めてまいりましたが、22年度は新たに古紙分別収集モデル事業を実施いたしまして、集積場所に古紙を出していただいて、回収することを試行する予定で、一般廃棄物処理基本計画の目標値であります25%を目指してまいります。また、新清掃工場の建設に合わせまして、焼却灰の資源化等も検討してまいりたいというふうに考えております。以上です。

【建設部長(齋藤秀美)】 市営住宅の役割及び今後の市営住宅の施策についてでございますが、策定中の長寿命化計画では、現在進行中の南橘団地の建てかえを最後に、当分の間、新規建設はもとより、建てかえ事業も行わない方針でございます。しかしながら、高齢化が急速に進む中で、高齢者が安心して暮らせる市営住宅へと質的転換が求められていることと、この経済情勢の中で低所得者に対するセーフティーネットとして市営住宅は依然必要であると考えております。そのため、ある一定の戸数につきましては、今後におきましても継続して管理していく考えでおります。また、国の指導により、昨年4月に入居収入基準が下がり、現在の市営住宅に入居しております皆様の中の約80%の世帯が基準内にあり、そのまま市営住宅の入居が可能となりますが、残る20%の世帯につきましては基準を超えるため、段階的に民間にゆだねるよう検討してまいりたいと考えております。

【20番(中島資浩議員)】 ありがとうございました。引き続き第2質問をさせていただきます。
 まず初めに、中心市街地の諸問題についてでございますが、8番街の一角にございます旧麻屋ビル、こちらは昭和9年に建設された前橋にできた最初のデパートであると承知をいたしております。この建物は、当時経営者が全国のデパートをめぐりまして、最も気に入った仙台の三越を模してつくった建築物であると伺っております。老朽化は否めませんが、ところどころに施された装飾は大変貴重なものであると考えております。そこで、8番街の整備に当たっては、旧麻屋ビルの景観を生かし、本市中心市街地再生のシンボル、ランドマークとして整備すべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
 また、旧ウォーク館の公共施設としての利活用に向けて、昨年末より庁内あるいは議会からのアイデア募集を行いまして、今月中に活用方針を固めるということでございますけれども、アイデアで生かせるものは旧ウォーク館に限らず、今後8番街や空き店舗などで生かしていくと、あるいは中心市街地の中に生かしていくと、こういったことも必要かと思いますけれども、その点につきましてのご所見もお伺いいたします。
 次に、環境政策についてでございますが、先ほどのご答弁によりますと、ごみの減量とリサイクルの推進に向け、紙類とプラ容器の分別、リサイクルの推進、さらにはごみの固形燃料化や焼却灰のスラグ化等による資源化が課題であるということでございます。そして、新年度、古紙の回収量をふやすべく、新たに古紙分別収集モデル事業の実施と新清掃工場の建設に合わせて焼却灰の資源化等も検討されるということでございまして、大変期待をいたしております。
 残る課題はプラ容器ということでございますけれども、このプラ容器の分別の徹底とリサイクルの推進ということになろうかと思いますが、本市ではプラ容器の回収曜日が月1回、不燃物の回収日に充てられておりまして、プラ容器は大変容積がかさむために、月1回収集がないことにより、その間の保管にも支障を来しますことから、可燃物にプラ容器を混入してしまう一つの要因になっているのではないかということも考えております。そこで、プラ容器の分別の徹底とリサイクル推進のためにも、回収日を原則週1回は確保すべきと考えますが、ご所見をお伺いいたしまして、第2質問といたします。

【都市計画部長(小池茂)】 旧麻屋ビルの景観を生かした8番街区の整備についてでございますが、旧麻屋ビルは麻屋個人が所有しているものでございまして、全国的に見ても大正、昭和初期に建造されました鉄筋コンクリート造の商業施設として希少価値の高い貴重な近代構造物であり、現在国の登録有形文化財に指定をされております。この建物は、前橋市にとりましても中心商店街の商業と歴史のシンボルであり、保存、活用することにより、中心市街地活性化の拠点になり得るものと考えております。そこで、今後も引き続き所有者等と協議、調整を進めながら、旧麻屋ビルの利活用につきまして検討し、8番街区での一体的整備を図ってまいりたいと考えております。

【商工観光部長(諸岡恒利)】 ウォーク館の活用方針につきましては、現在庁内で検討を進めておりますが、ご指摘いただきましたように、今回提出されたアイデアの中には、中心市街地の空き店舗等を活用することで効果的な展開が期待できるものもあると考えております。中心市街地の活性化や回遊性向上が期待できるアイデアについては、今後中心商店街関係者等と具体的な検討、協議を行いながら、具現化に向け、取り組んでまいりたいと考えております。以上です。

【環境部長(関根長之)】 プラ容器の回収日の関係でございます。ごみの収集日は町によって違いますが、前橋市では全部で23パターンございます。収集に当たっている担当といいましょうか、人につきましては、毎日何らかのごみを収集しているというふうになってございます。このため、現行の体制の中でプラ容器の収集日をふやし、不燃ごみの収集日を新たに追加することは大変難しいというふうに考えております。新たに人員や車両を確保するための経費の問題等もありますので、費用対効果を考慮しながら、今後検討してまいりたいというふうに考えております。以上です。

【20番(中島資浩議員)】 ありがとうございました。第3質問にかえまして、何点か要望をさせていただきたいと思います。
 まず初めに、中心市街地の諸問題についてでございますが、旧麻屋ビルは戦災に遭った中心市街地に残る数少ない近代化遺産の一つであります。東京の丸の内や横浜などでは、こういった歴史的建造物を生かした形で新しい建物が建設をされ、新たなまちの魅力を醸し出している例もございます。8番街の整備に当たっては、ぜひ旧麻屋ビルの景観を生かしていただきますようお願いをいたします。
 また、中心市街地の再生に向けて、中心市街地の回遊性を高めることが喫緊の課題と考えております。前橋プラザ元気21の中でも、特に生涯学習の拠点である中央公民館やキッズルームが大変盛況のようでございます。そこで、中心市街地の回遊性を高めるためにも、まずは行政として中央公民館やキッズルームなどの発想を中心市街地の空き店舗などで生かしてみてはどうかと考えております。例えば商店街のアーケードを利用いたしまして、子供用の乗り物等を配置し、キッズルームの屋外版をつくってみる、あるいは空き店舗等を利用し、市民ギャラリーや託児所などを設置してみてはいかがかと考えております。中心市街地の回遊性を高めるために、全庁横断的なご検討をよろしくお願いいたします。
 次に、環境施策についてでありますが、先ほどのご答弁でありますと、現行の体制の中ではプラ容器の収集日をふやすこと、不燃ごみの収集日を新たに追加することは難しいということでございました。しかし、ごみの分別収集の徹底とリサイクル率を高めるためには、市民の皆様が協力しやすい環境を整えることも大変重要であると考えております。ぜひとも前向きなご検討をお願いしたいと思います。
 また、リサイクルの推進に向けて、リサイクルセンターの設置についてもぜひご検討いただきますよう要望させていただきます。
 最後に、市営住宅についてでありますが、高齢者やハンディのある方々など民間の賃貸マンションやアパートでは対応できない部分あるいは中心市街地の活性化策等、政策的判断から、中心市街地に市営住宅を設置するなどといった点では市営住宅としての一定の意義もあろうかと思います。しかし、先ほど申しましたとおり、今後とも市有地に市営住宅を建設して維持管理をし、徴収する。さらには、老朽化に伴って新しい市営住宅を建設するということについては、やはり考える必要があろうかと思っておりますので、今後の市営住宅政策のあり方、特に官と民の役割分担といった観点からご検討いただきますようにお願いをいたしまして、私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。

戻る