2006年2月環境共生社会特別委員会「質問」より

【1】環境教育について

 環境教育には、これまで環境・森林局環境政策課と教育委員会義務教育課が取り組んできているが、私は、環境の専門部署と教育の担当部署の連携が不可欠であると思う。これまでどのように連携が図られてきたか、現状について伺いたい。

 <環境政策課長>現在、環境政策課に現職教員を研修という形で1名配置し、実際に環境教育に関する事務を担当してもらっている。この職員を通して、教育委員会とも連携を図っている。
 環境サポートセンターについても、嘱託2名の内1名は校長経験のある人で、環境情報を的確に発信してくれている。

 例えば、環境教育プロジェクトチームのようなものがあり、環境教育を推進するにあたって、定期的に打ち合わせを行う等の連携は今まで行われているか。

 <環境政策課長>打合せの場は特にないが、今年、環境学習推進基本指針を策定しており、案がまとまっている。
 策定にあたっては、教育委員会や関係者と一緒になって検討してきた。環境教育・環境学習は、教育委員会と環境政策課だけでなく、自然環境課や緑づくり推進センターでも関連事業があり、また民間でも熱心に活動を行っている方がいる。いろいろな主体が共に連携して推進することが重要で、そのための指針を作る取り組みを今年度は進めていた。今後は指針に基づいて、関係者と連携しながら環境教育・環境学習を推進して行きたい。

【要 望】 環境・森林局と教育委員会の連携は不可欠であると思うので、連携を密にして頂きたい。そういった意味では、環境教育推進のためのプロジェクトチームのようなものを立ち上げて、常に連携を図るということも有効であると考えられるので、是非、検討をお願いしたい。

 

●県環境アドバイザーとの連携について

 民間の方でもいろいろ取り組んでいるという話があったが、その象徴が環境アドバイザー制度である。県内の各地域に数百名の方が、環境アドバイザーとして登録され、活躍している。身近な専門家として協力が得られるのではないかと思うが、環境教育を推進する上で、民間人との連携について所見を伺いたい。

 <環境政策課長>環境アドバイザーについては、今年度は360名の登録があった。地域において、アドバイザーの皆さんがテーマとしている環境に関する取り組みや学習について推進して頂いている。
 今後も環境アドバイザーの仕組みは継続し、地域に根ざした環境学習、環境に対する取り組みが推進されるようにしたい。また、そうした取り組みを進める上で、全体のレベルアップの必要性から、先日、研修会を行った。これからも、環境アドバイザーと県が一体となって環境教育・学習推進のための取り組みを進めたい。

【要 望】 環境アドバイザーはボランティアであり、率先して登録をしている方々である。環境政策の推進について、何らかの協力をしたいという意志をお持ちであると思われるので、こちらから環境教育にご協力頂けないか積極的に投げかけを行うなど、環境アドバイザーとの連携を検討して欲しい。

 

●太陽光エネルギー

 いくつかの小学校で太陽光発電システムを導入し、現在の発電量について表示をしていると聞いている。コスト的な問題はあるかもしれないが、啓発という意味では非常に分かりやすい。子ども達への啓発という観点から、各小学校に太陽光発電システムを導入して発電量を表示するということは効果があると考えるが、所見を伺いたい。

 <義務教育課次長>管理課の資料によれば、これは「エコスクール」ということで、文部科学省のパイロットモデル事業で補助金が出ているものである。現在、県内の小中学校10校が、太陽光発電システムを設置している。環境教育の観点から大変有効であり、質問の内容を担当課に伝えたい。

 現在市町村ではゴミの分別回収を行っており、家庭でも協力をしている。そこで、各小学校単位で分別リサイクル回収ボックスを設置し、空き缶や紙パックなどを少しずつ持ってくるというのはどうか。日常の中で環境を意識するようになると思う。所見を伺いたい。

 <義務教育課次長>把握している資料では、太田市の学校ではISOを実施し、その中でゴミの分別なども行っている。また、県内の学校では空き缶を収集し、売却して車椅子を送るための資金にするなどの活動を行っていると聞いている。

【要 望】 県内ではそうした先進事例もあるので、それを他にも生かして頂きたい。環境教育は難しい部分もあると思うが、これがヨーロッパの先進地では非常に効果があると聞いている。子どもが学校で学んで家庭に帰り、大人が違ったことをしていると注意する。そうすると、大人もいけないと思って直す。非常に即効性もあるので、是非、環境部署また教育部署で連携を図って頂きたい。

 

【2】県のゼロエミッションへの取り組みについて

 サンデン赤城工場ではゼロエミッションに取り組み、廃棄物の99%をリサイクルしていると聞いている。営利を目的としている民間でも行っているので、行政でも対応できると思う。ゼロエミッションに取り組んでいる企業の「ノウハウ」を県で学び、県で導入したり、或いは他の企業に広めてみてはどうか。

 <環境政策課長>県としても、県庁内では「県庁エコDO!」によりゼロエミッションを推進しているところである。県全体のゼロエミッション対策として、現在、県ではゼロエミッション情報ネットワークを構築しており、今年度、従来の情報ネットワークをリニューアルして、循環資源交換情報制度を立ち上げたところである。
 この制度は、廃棄物等の循環資源の排出者と利用者の情報を県ホームページに掲載し、県で両者の紹介斡旋等を行って循環資源の有効利用を促進する仕組みである。この制度が広く普及していくと県内のゼロエミッションが定着していくと考えている。

 

【3】間伐材の有効利用について

 県内の間伐材は、どのように利用されているのか。

 <林業振興課長>活用状況であるが、土木の道路フェンス・落石防護策・公園等のフェンスなどに利用している。

 当委員会で県外調査した際、山形県では間伐材をペレットにして使用しているという話であった。ペレットストーブの導入に対して補助を行えば、間伐材が有効利用できるのではないかと考えるがどうか。

 <林業振興課長>ペレットストーブについては、以前、オイルショック時に沼田市内の協同組合が取り組んだことがあるが、原油価格が下がり、使われなくなってしまった。当時とは状況も違い、木質ペレットは化石燃料の代替として温暖化対策にも効果がある。
 しかし、ペレットストーブは新築時であれば設置しやすいが、既存の住宅では構造上の問題もある。ペレットより薪ストーブに関心を持っている人もいる。
 個人的な意見であるが、家庭だけでなくビニールハウスの暖房にも使用するボイラーを開発して利用することも考えられる。
 間伐材等の利用促進にも有効であるので、どういう形で推進ができるか、問題点を検討し、ペレットストーブにこだわることなく、いろいろな方法を考えていきたい。

 

【4】PSEマークのない中古家電製品について

 PSEマークのない中古家電製品は、今年4月から売れなくなると聞いているが、同時にゴミになってしまうとも聞いている。どのように捉えているのか所見を伺いたい。

 <環境政策課長>「PSE」については、家電製品を安全に利用する観点から、PSEマークのない商品は売れなくなる制度であると認識している。
 この制度は、法施行後直ちに施行されるのではなく、5年間の猶予期間を経て平成18年4月から開始されると聞いており、また、国では、中小事業者からの要請に応じて、PSEマークを付すための自主検査を4月から6ヶ月の間、電気保安協会等の協力を仰ぎつつ、無料で行うなどの中小事業者支援を行うと聞いている。
 リサイクルを進める観点から、日本の電気製品は品質がよいので、使えるものは長く使っていくことがよいと思っている。中古家電製品を一斉に使わなくなるのでなく、法制度の範囲内で使えるものはできる限り使うことが必要と考えている。

【要 望】 現在、リサイクルショップが人気だが、PSEマークのない中古家電製品が売れなくなることは、リサイクルを推進することと逆行するのではないかと思う。ゴミの発生量の増加や不法投棄が懸念されるので、今後の動向を注視しながら、啓発等の対策の実施について配慮してほしい。


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