2005年12月定例県議会

■トピックス〜県議選挙区・定数問題について−私はこう考えました!〜

 市町村合併に伴う県議会議員選挙における新しい選挙区割りと定数が、平成18年2月定例県議会において決定致しました。平成19年4月に予定される次期県議会議員選挙より適用されます(【図1】参照)。
 この問題を巡って議会側は、「議会改革検討委員会」での議論を経、導入時期は「来春の次期県議会議員選挙から」、すなわち、それまでに行われる補欠選挙においては従来の選挙区で行うこととし、定数は現在の56より6減の「50」としました。
 一方、議会案の対案として、知事は、導入時期を「条例成立後直ちに」とし、定数は議会案を上回る11減の「45」としました。
 この問題は“正解”がないだけに、結論を導き出すのに正直大変苦慮致しましたが、結論から申し上げれば、私は、今回「議会案」に賛成致しました。
 ポイントは、「導入時期の問題」と「定数の問題」の2点ありました。
 先ず、「導入時期の問題」についてであります。本選挙は来年の4月であり、それまでに行われることとなる選挙はあくまで「補欠選挙」であるとう点を考慮すると、その原点は前回の県議選と捉えるのが自然であり、その点から選挙区割りの変更は、来年4月の本選挙以降がベターであると結論を導き出しました。
 次に、定数の問題であります。過日、平成19年夏の参議院議員選挙より、本県の定数が1減の定数1になるとの報道がなされたことは、皆様記憶に新しいことと思いますが、ではなぜ、このような見直しが行われることとなったのでしょうか。それは、“一票の格差”を是正するためです。“1票の格差”とは、言わば選挙区毎の“一票の重みの差”であります。当然、一票の格差のない「1」が理想であり、数値がそれに近ければ近いほどよいことになりますが、各選挙区毎に人口が違い、定数も「1、2…」といった実数でなければならないという点を考慮すると、私は、この“一票の格差”は「2」以下が望ましいと考えます。これを県議選に置き換えると、これまでの1票の格差は「2.43」です。そして、定数が「50」或いは「51」のとき、これが「1.96」となり、定数削減を求める民意を考慮すると「50」がよりベターであると考えました。参考までに、知事案の「45」では、これが「2.53」と現在よりかえって広がってしまいます。
 以前より、議員定数や議員報酬といった議員自らの身分に関わる問題についての私の基本的なスタンスは、「有識者や市民代表による第3者機関で決めて頂き、それを議会が受け入れるのがベスト」というものです。過日の海外調査の問題もそうでありましたが、この問題についても県民の皆様の関心が高まっている以上、議会としてもより厳しい姿勢でこれに臨む必要があると考えました。その点からも、議員自らの身分にかかわることを自ら決めるということに、私は抵抗を覚えます。また後になって“お手盛り”などと批判されかねません。そのような批判をされないためにも、議会として学識経験者や県民の代表による第3者機関をつくり、そこに客観的な判断を委ねた方がより県民皆様のご理解を頂けるものと思います。ただ、何らかの形で議会としての意向を伝える場面は必要かもしれません。
 しかし、今回、議会改革検討委員会にオブザーバーの形で同席し、議論の一部始終を見守らせて頂いた限りにおいては、市町村課が用意した基礎資料に基づいて極めて粛々と議論が展開され、結論が導き出されたといった印象であります。その点、県民の皆様にも十分説明責任を果たせる結論であると考えます。

 

■トピックス〜出納長再任案否決問題について−私はこう考えました!〜

 過日の平成18年2月定例県議会におきまして、出納長の再任人事案件が提出され、私は「賛成」しましたが、皆様ご承知の通り、結果的には「賛成少数」で否決されました。
 私が賛成した理由は、以下の通りです。
 特別職の人事案件は、県政運営において大変重要な要素であり、それだけに、原則的には、選挙で選ばれた知事が、県政運営が最もしやすい体制を整えることが望ましいと考えます。すなわち、人事案件は、知事の専権事項的要素が強く、地方自治法上「議会の承認」を得て知事が任命することにはなっているものの、基本的には「議会が口を挟む問題ではない」と捉えています。実際、「第28次地方制度調査会」におきましても、人事案件における議会の承認の必要性について、一部疑問が呈されたようであります。
 また、一部報道では、反対の理由として、「3役に国の人間、群馬県出身者でない者は2人いらない」といった趣旨のコメントが掲載されておりました。感情論としては理解できますが、群馬県民にとって最も重要な点は、「群馬県の発展にどれだけ力を発揮できるか」の点であり、「国の人間か、群馬県出身者かという点は二の次」と考えます。


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