2002.12.11 : 平成14年第4回定例会

【2番(中島資浩議員)】 総括質問をさせていただきます。まず初めに、ごみ問題について何点かお尋ねいたします。

 第1に、ごみ有料化についてであります。平成13年第2回定例会の総括質問におきまして、ごみ有料化の実施についてお考えをお伺いいたしましたところ、家庭ごみの有料化を実施している自治体について調査、研究を行っているところとのご答弁をいただきました。そこで、これまでのごみ有料化についての調査、研究状況と今後の見通しについてお伺いいたします。

 第2に、リサイクルの促進についてであります。平成13年度における本市の可燃ごみの主な組成は厨芥類が18.9%、紙類が50.4%、プラスチック類が9.6%となっております。また、同じく不燃ごみの主な組成は廃プラ、塩ビ類が51.8%、金属類が20.7%、紙くず類が9.4%となっております。それぞれの組成を見ますと、分別の状況も不完全でありますし、またまだまだリサイクルに回せるものも多くあるなど、幾つかの課題や問題点が見えてくると思います。そこで、この現状をどのようにとらえ、今後どのように改善を図っていくお考えかお伺いいたします。さらに、平成13年度本市ではどのくらいの量のスチール缶とアルミ缶が集められ、リサイクルに回されたか、またスチール缶とアルミ缶それぞれの売却単価と売却益はどれくらいであったのかお伺いいたします。

 第3に、レジ袋の前橋市指定袋制度についてであります。前橋市指定のごみ袋がレジ袋としてスーパー等で消費者に無料で配られているために、結果的にごみの排出抑制がなかなか働かないというメカニズムになってしまっております。そこで、ごみの排出抑制を図るために、ごみ有料化の検討とともにこの本市の指定袋制度の廃止を検討する必要があると考えますが、お考えをお聞かせください。

 第4に、環境教育についてであります。環境問題を根本的に解決するためには、幼いころからの環境教育が何よりも重要であるということは環境問題に携わる者の共通の認識であります。そこで、環境教育の重要性についてどのようにお考えかお伺いいたします。さらに、環境教育を進めるに当たり、教育委員会との連携も大変重要になってくると思いますが、あわせてお考えをお聞かせください。

 次に、防災対策についてお尋ねいたします。このところ阪神・淡路大震災から三宅島の噴火、台風、そして集中豪雨に至るまで自然災害が頻発しており、国はもとより各地方自治体においても危機管理対策が大きな課題となっております。こういった中、阪神・淡路大震災以降、国では災害対策基本法等の改正が進んでおりますが、地方自治体においても今まさに市民の生命と財産を守るため、危機管理体制の整備が必要です。そこで、まず初動態勢等防災体制についてお伺いいたします。また、このところの本市における災害の傾向として、局地的な集中豪雨によるものが非常に多くなっております。そこで、特に台風や集中豪雨時における河川の警戒態勢はどのようになっているのかお伺いいたします。そして、本市では速やかな初動態勢を目指して災害対策実施マニュアルが平成13年8月に作成されております。そこで、非常時に備え、このマニュアルの周知徹底はどのようになされているのかお伺いいたします。

 さらに、非常時において市民からの情報提供は大変重要です。例えばいち早く河川のはんらんの危険性を伝える情報を得、素早く対応することによって災害を未然に防ぐことも可能となります。そこで、市民からの情報の窓口はどのようになっているか、またその窓口について市民への周知徹底は図られているか、さらには連絡体制と対応はどのように行われているのかお伺いいたします。

 次に、東地区の諸問題について何点かお尋ねいたします。第1に東小学校校庭の水はけの問題についてであります。小中学校校庭の使用は、生徒だけにとどまらず最近では広く地域の方々にも開放され、身近な運動施設として大変有効に活用されております。本市としても、生徒はもちろん市民の方々にも安心して使っていただけるよう整備をする必要があると思います。そこで、校庭の整備はどのような基準に基づき行われているかお伺いいたします。また、以前から東小学校の校庭は他校に比べ、水はけが非常に悪いとの声が関係者から多く寄せられておりました。そういった中、この夏整備をしていただいたわけであります。そこで、どのような整備を行っていただいたのかお伺いいたします。

 第2に、都市計画道路新前橋駅川曲線の信号機の設置についてであります。都市計画道路新前橋駅川曲線の南部大橋線から箱田中学校までにつきましては、片側2車線、幅員20メートルの整備がほぼ完了し、一部供用が開始されておりますが、整備されたことに伴い、交通量もふえ、行き交う自動車のスピードも増したように見受けられます。しかし、その一方でこの通りは東小学校の通学路にもなっており、以前より多くのご父兄を初めとする地域の方々から、道路を横断する子供たちの安全を心配する声が聞かれておりました。そういった中、過日まさにその場所で交通事故による犠牲者が出てしまいました。このことから、地域の方々も一刻も早い信号機の設置を願っているところです。そこで、都市計画道路新前橋駅川曲線における信号機設置の見通しについてお伺いいたしまして、第1質問を終わります。

【生活環境部長(藤井正彦)】 ごみ問題につきまして順次お答えさせていただきます。

 まず初めに、ごみ有料化のこれまでの調査、研究状況についてでございますが、平成13年度に有料化を実施している自治体や有料化を検討している自治体について実態調査を行いました。また、本年度は市民アンケートによるごみ有料化に対する意識調査を実施いたしました。さらに、先進地の視察も実施しまして制度の運営管理方法などについても調査、研究をしております。今後につきましては、庁内の関係課から構成する検討委員会的な組織や廃棄物減量等推進審議会を立ち上げまして、市民の皆さんの理解と協力が得られる最良の方法を検討していきたいと考えております。

 次に、ごみの組成割合からの課題等についてでありますが、まず可燃ごみでは紙類と厨芥類の排出量を減らすことが、また不燃ごみではプラスチック類の排出量を減らすことがごみ減量につながるものと考えております。このため市民の皆さんが地域で取り組まれている有価物集団回収を支援することにより、紙類のリサイクルを促進してまいりましたが、今後は対象品目に菓子箱や包装紙などの紙製容器包装を加え、紙類のリサイクルを拡充するとともに協力を呼びかけてまいりたいと考えております。厨芥類につきましては、これまでもごみ減量化器具購入費助成事業により減量、リサイクルを推進してきております。今後も継続していきたいと考えております。不燃ごみの中のプラスチック類につきましては、平成13年度から容器包装リサイクル法に基づくリサイクルを実施しており、また金属類のうちアルミとスチールのリサイクルも継続してまいりたいと考えております。さらに、家庭にごみとなるものをなるべく持ち込まないために、簡易包装や買い物袋持参などの推進について啓発も継続してまいりたいと考えております。

 次に、空き缶の処理量ですが、平成13年度でスチール缶が688トン、アルミ缶が210トン、合わせまして898トンがリサイクルされております。単価につきましては、平成13年度の平均でスチール缶が1キログラム当たりマイナス3円50銭、アルミ缶が25円でこの収益の合計は約285万円であります。

 次に、現在の指定袋制度の取り扱いにつきましては、ごみ有料化の方法によっては検討課題の一つであると考えております。

 次に、環境教育についてでございますが、今日の環境教育は環境に関心を持ち、環境に対する人間の責任と役割を理解し、環境保全活動に参加するなどを育成するものと認識しております。したがいまして、特に子供たちに対しましては人と環境について関心と理解を深めるため、自然体験や生活体験などの積み重ねが重要でありますので、持続可能な社会の実現に向け、今後も環境教育に取り組んでまいりたいと考えております。また、環境教育を進めるに当たりまして、教育委員会とも連携を図っていきたいと考えております。

【市民部長(長谷川喬子)】 防災対策についてですが、初動態勢等防災体制につきましては防災計画により実施しており、組織伝達系統図、動員計画表等の各種連絡網を必要に応じて更新しながら整備し、災害時に対応しております。職員の招集につきましては、地震対策では職員の約10%が自主登庁する初期動員から、全職員が自主登庁する3号動員までとなっており、震度及び被害状況等により災害警戒本部、または災害対策本部を設置しております。風水害対策としては、大雨警報及び洪水警報等の気象警報発令を基準とし、災害の規模に応じて災害警戒本部、または災害対策本部を設置しております。

 次に、河川の警戒態勢につきましては、水防活動を定めた水防計画に基づきまして、重要水防区域に指定されている河川の河川巡視等により警戒を図っております。また、災害対策実施マニュアルは防災の基本となるものであり、部長会議及び全庁掲示板等で全職員に周知徹底を図って十分に機能しております。

 次に、緊急時における市民からの情報の窓口と連絡体制とその対応についてですが、窓口は生活課で対応しており、夜間は当直が情報を受け、内容に応じて消防、警察を初めとする関係機関等に連絡し、迅速に対応しているところでございます。このことにつきましては、広報まえばしや市のホームページ等で緊急時の対応について市民に周知を図っております。

【管理部長(阿部明雄)】 学校における校庭の整備につきましては、学校要望等を踏まえ、各学校の状況に応じた整備を毎年2校ないし3校ずつ行っております。整備内容については、通常砂等を入れて整地、転圧し、表面仕上げを行うものであります。

 東小学校の整備は、学校の要望に基づきまして本年8月に校庭全体の表層をはぎ、勾配をつけましてゴンベ砂による表面仕上げを行い、雨水を校庭西側のU字溝に流れるよう施工いたしました。これによりグラウンドが整地され、相当程度の雨水排水の効果が上がったものと考えています。

【建設部長(高橋利三郎)】 新前橋駅川曲線の第一期事業区間であります南部大橋線から箱田中学校までにつきましては、平成15年3月末で供用開始を予定しております。供用開始に伴います信号機の設置でありますが、東小学校西の交差点はことしの12月中に、また南部大橋線寄りの旧道との交差点は平成15年3月に群馬県公安委員会により信号機の設置の予定となっております。

【2番(中島資浩議員)】 ありがとうございました。第2質問させていただきます。

 まず、ごみ問題について何点かお尋ねいたします。第1に、ごみ有料化についてであります。先ほどのご答弁によりますと、平成13年度に有料化を実施している自治体や有料化を検討している自治体について実態調査を行ったとのことであります。そこで、これらの実態調査からわかったこと、すなわちごみ有料化の実施とごみ減量効果、ごみ有料化の手法、ごみ有料化における単価の算出方法、さらにはその単価とごみ減量効果の関連性等についてお伺いいたします。

 第2に、リサイクルの推進についてであります。ご答弁によりますと、平成13年度平均でスチール缶が1キロ当たり3.5円のお金を払って引き取ってもらういわゆる逆有償、アルミ缶が同25円の有償でそれぞれリサイクルに回されたとのことであります。しかし、日本経済新聞の平成13年度の平均市況はスチールが7円11銭、アルミが69円25銭となっておりまして、それを参考に試算してみますと、平成13年度のスチール、アルミの売却益は約1,947万円となり、その差額は1,662万円と大変な額になります。そこで、本市では分別収集された空き缶がどのように処理されているのか、またその問題点と改善策についてお伺いいたします。

 第3に、環境教育についてであります。南橘地区の小学校では、環境教育に取り組む際、南橘リサイクルの会のメンバーの方々に協力を仰ぐなど、地域の専門家を生かす取り組みが見られます。そこで、環境教育を推進する上で環境協力ボランティアとして、これら地域の人材をもっと生かすべく情報収集や仕組みづくりに取り組んでみてはと考えますが、お考えをお聞かせください

 次に、防災対策についてさらにお尋ねいたします。突然の災害時に被害を最小限に食いとめるためには、速やかな初動態勢が求められます。このことから、電話による連絡網ではいささか限界があるようにも思われます。そこで、速やかな連絡手段の一つとして携帯電話のメーリングリストを活用するなど改善の余地があると思いますけれども、お考えをお聞かせください。

 一方、夜間の緊急時において市の当直室に電話が殺到した場合、果たして対応し切れるのかどうか、また当直の方が日々変わるという状況の中でだれもが災害時において十分な対応がとれるのかどうか危惧されるところです。そこで、夜間の災害時における窓口として、ほかに窓口を設けることを検討する必要があるのではないかと考えますが、お考えをお聞かせください。

 さらに、災害時においてSOSを求める情報提供者は、同時に大変な不安を抱いているものと思いますので、そういった不安を解消すべく、現場確認あるいは情報提供者への対応状況の説明等何らかのフィードバックが必要であると思います。そこで、その点、現在どのように対応しているのかお伺いいたします。

 次に、東小学校校庭の水はけの問題についてさらにお尋ねいたします。東小学校関係者の方々は、このたびの整備に大変感謝をするとともに大きな期待を寄せておりました。しかし、残念ながら整備後も状況はほとんど変わっていないとの厳しい声が多く寄せられております。そこで、現在の状況をどのように認識しておられるか、またさらなる改善策についてお考えをお伺いいたしまして、第2質問を終わります。

【生活環境部長(藤井正彦)】 ごみ有料化の実態調査でのごみの減量効果ですが、ごみ有料化の実施後は各自治体ともごみ減量、資源化が促進されておりますが、期間の経過とともに増加傾向を示しているところも見受けられます。有料化の手法は、指定袋やシールを用いてすべて有料とするものや一定枚数を無料とするもの、さらに品目による有料と無料などがございました。単価の算出方法では、ごみ処理原価に任意の受益者負担率を乗じたものや周辺自治体を参考にしたもの、また政策的に高額としたものなどがございました。単価と減量効果の関連につきましては、数値データが少なく、分析までに至っておりません。

 次に、空き缶の処理方法につきましては、荻窪清掃工場で不燃ごみや粗大ごみなどの処理とは別に、1週間のうち特定の曜日に空き缶だけを処理している状況でございます。問題点につきましては、処理施設は空き缶専用ではなく、また施設の老朽化も相まって指定袋の破袋と除去を完全に行うことが困難な状況にあります。市況価格に近い価格を確保するためには、新たな処理施設が必要であると考えております。したがいまして、総合計画、実施計画の中で検討してまいりたいと考えております。

 次に、環境教育についてでございますが、環境教育を進めるのに当たり、その具体的な内容は自然、大気、廃棄物、エネルギー、歴史、文化など極めて多岐にわたるものでありまして、学校及び地域などで推進していくことが必要と考えております。したがいまして、今後も環境教育の推進を図るため、それぞれの立場での専門家を講師としてお願いするとともに、環境教育の機会、場の提供、地域の素材や人材など活動の輪を広げるための情報ネットワークの構築に向け、検討してまいりたいと考えております。

【市民部長(長谷川喬子)】 防災対策の緊急時の携帯のメーリングリスト等の活用、また緊急時のための他の窓口の検討につきましては、現在のシステムで十分対応されておるものと認識しておりますが、今後においても研究の上、必要に応じ改善をしてまいりたいと考えております。

 次に、情報提供者への対応状況の説明につきましては、現場確認をしている中で必要に応じて情報提供者への対応をしておりまして、フィードバックはされているものと考えております。

【管理部長(阿部明雄)】 学校の校庭利用につきましては、日常のメンテナンスが必要でありまして、利用者は使用後、次の利用者が快適に利用できる状態に整えることが良好な状態で校庭を利用できることにつながるものと考えておりますし、長年利用された校庭ほど補修の必要性があります。東小学校については、ことしの夏の整備によって校庭としての整備は一定の効果があったものと考えております。

 校庭の改善策につきましては、地盤改良や暗渠排水を行う必要がありますので、整備方法等を含め、市全体の整備の中で総合的に判断してまいりたいと考えております。

【2番(中島資浩議員)】 ありがとうございました。第3質問と要望をさせていただきます。

 まず、ごみ問題について何点か質問と要望をさせていただきます。第1に、ごみ有料化について要望させていただきます。ごみ有料化を考える上でポイントとなるのは、やはり受益と負担という点だと思います。現在の制度では、ごみをたくさん出す人も少ししか出さない人も直接的な負担はゼロで同じです。しかし、これではごみの排出抑制にはつながりませんし、また何より不平等でもあります。やはりごみの減量と負担の公平さを考えると、ごみの有料化は避けられないと思います。私が調べた限りでは、ある程度の負担を課さないと、ごみ減量効果は得られませんし、またその負担が高ければ高いほどその効果も大きいという相関関係が見られます。大胡町、粕川村、宮城村では、ごみ有料制を導入しており、現在45リットルの袋が50円とのことです。合併の段階では、ごみ処理手数料を統一するとのことでありますので、これまでの合併の事例に照らし合わせますと高い方に流れるか、低い方に流れるかということになると思いますけれども、合併後の都市像として環境との共生を目指すのであれば、ぜひともさらに踏み込んだ検討をしていただきますよう要望させていただきます。

 第2に、リサイクルの推進について要望させていただきます。やはりさらなるごみの減量とリサイクルの推進を図るためには、現状の施設では大変厳しく、どうしてもリサイクル施設が必要です。第五次総合計画の中にもリサイクルプラザの構想がうたわれておりますので、ぜひ早期実現に向け、ご検討をお願いいたします。

 第3に、環境教育について1点お尋ねいたします。環境先進国ドイツでは、ボランティアが常駐し、環境問題について子供たちに総合的に指導を行う環境教育の拠点としてエコステーションが国内に約400カ所あり、環境教育の推進、ひいては環境問題の根本的な解決に大変寄与しております。そこで、本市においても例えば荻窪の最終処分場跡地に整備予定の公園内や、大室公園内などに環境教育の拠点としてエコステーションがあれば大変意義あることと思いますが、お考えをお聞かせください。

 次に、防災対策について要望させていただきます。災害時に的確かつ迅速な対応をとるには、危機管理体制を継続的に改善し、それを維持するために日ごろから訓練を行うことが重要とのことです。いつ何どきも市民の生命と財産を守る観点から、平時からのご努力をお願いします。

 最後に、東小学校校庭の水はけの問題について要望させていただきます。過日、雨の降った翌日のある土曜日の午後、東小学校に校庭の様子を見に行きましたところ、少年野球チームのご父兄が10人ほどスポンジで水抜きをしておりました。もう朝から数時間にわたり作業を行っているとのことでありました。お話を伺いますと、ほとんど雨の降るたびごとに行っているとのことであります。ぜひこういったご苦労をお察しいただき、さらなる改善策をお願いいたします。ありがとうございました。

【生活環境部長(藤井正彦)】 エコステーションについてでございますが、エコステーションにつきましては環境教育、環境情報発信の場であると認識しております。現在本市では、児童文化センターや各公民館などで各種環境関連講座を実施しておりますが、今後は地域社会を含め、人と環境とのかかわりについて理解を深め、身近なところから具体的な環境教育を推し進めるかが重要となりますので、エコステーションの設置につきましては環境施策を進める中で研究課題としてまいりたいと考えております。

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