2001.12.11 : 平成13年第4回定例会

【2番(中島資浩議員)】 総括質問をさせていただきます。

 まず初めに、本市の住宅団地と工業団地の取り組みについてお尋ねいたします。本市は、昭和35年に工業団地及びこれに付随する住宅団地の造成を目的として、地方自治法に基づく一部事務組合である前橋工業団地造成組合を群馬県と組織し、翌36年には首都圏整備法による都市開発区域、前橋・高崎地区としての指定を受け、工業団地並びに住宅団地の造成事業を開始しました。以来、より豊かな都市経営を図るため、工業都市への転換を目指して20の工業団地約437ヘクタールの造成を行い、ここに誘致した優良企業74社を中心に、現在約392社が立地しております。一方、住宅団地造成事業ではこれまでに14の住宅団地約176ヘクタールの造成を行い、その区画数は3,164区画に上り、本市における人口、世帯数の増加に大きく貢献してまいりました。前橋工業団地造成組合におけるこれらの取り組みは、まさに本市の発展に大きく寄与してきたことは言うまでもありません。しかし、過日の新聞報道でこのところの長引く不況のあおりを受け、分譲が思うように進まない状況であると報じられましたが、その一方で現在新たに五代南部工業団地とローズタウン住宅団地の造成に取り組んでおります。総事業費はそれぞれ約135億円、211億円というビッグプロジェクトであり、現在の状況下における計画の妥当性について少なからず疑問が持たれるところであります。そこで、まず第1点目として既存開発部分の販売状況と今後の見通しについてお伺いいたします。さらに、第2点目として現在造成中である五代南部工業団地とローズタウン住宅団地の計画並びにその進捗状況と既支出額についてお尋ねいたします。

 次に、広瀬川イルミネーションについてお尋ねいたします。この事業は、平成11年にグリーンドーム前橋で開催された世界陸上大会の際に会場周辺のイルミネーションに使用した機材の有効活用を前提に、前橋商工会議所青年部と前橋青年会議所の有志の皆様による前橋街づくり協議会、それに前橋商工会議所青年部と前橋青年会議所、連合群馬前橋地域協議会によるまえばしライトアップ実行委員会が中心となって始まった事業であり、ことしで3年目となります。この事業は年々広がりを見せ、本年は広瀬川沿いのみでなく、中心市街地にまで拡大しております。また、主催団体もTMO、前橋文化デザイン会議実行委員会、前橋電気センター青年部会、前橋中心商店街協同組合、コムネットQ等の各団体が加わるなど事業、組織ともに膨らんでまいりました。そして、この事業はこれら主催団体のメンバーの皆様を中心とするボランティアの力でここまで拡大してまいりましたが、何かとご多用の中、事業に参画し、ご活躍いただいた多くの皆様の並々ならぬご努力に対し、心から敬意を表する次第であります。そこで、まず第1点目としてこの事業に対するこれまでの市のかかわりについてお尋ねいたします。さらに、第2点目として市ではこの事業をどのようにとらえているのかご見解をお聞かせください。

 次に、率先市民活動の促進についてお伺いいたします。市民ニーズの多様化が進む中で期待が高まっているNPOやボランティア活動については昨今率先市民活動とも言われておりますが、こういった率先市民活動については市民みずから地域づくり参画への喜びを感じると同時に、行政側としても市民との協働による取り組みによって、より高い行政効果を得ることができる、いわば地方分権時代における地方行政推進上の理想的な姿ではないかと考えます。しかし、一般的に行政側の受け皿については必ずしも十分ではない面が見受けられます。そこで、まず第1点目として本市としてはNPOとボランティアについてどのようにとらえ、また率先市民活動をどのように認識しているのかお考えをお聞かせください。また、第2点目として率先市民活動に対する支援のこれまでの取り組みについてお伺いをいたしまして第1回目の質問を終わります。

【商工部長(大谷秋男)】 前工団の既存開発部分の販売状況でありますが、上増田及び城南工業団地につきましては平成8年秋から分譲を開始し、これまでに上増田工業団地は分譲可能面積19ヘクタールのうち51.6%に当たる9.8ヘクタール、城南工業団地では14.4ヘクタールのうち73.2%に当たる10.5ヘクタールが分譲となりました。

 次に、住宅団地では本年度芳賀東部住宅団地の第2期分譲分及び東善住宅団地の拡張分の分譲を行いました結果、両団地の分譲可能面積2.6ヘクタールのうち46%に当たる1.2ヘクタールの分譲申し込みがありました。今後の見通しでありますが、長引く構造不況等から分譲状況は依然厳しいものがございますが、今後も企業動向等の情報収集や宣伝活動等に努め、分譲促進を図ってまいりたいと考えております。

 次に、現在進めております五代南部工業団地でありますが、事業年度は平成9年度から22年度までの予定でありまして、現在事業用地の買収がほぼ完了し、埋蔵文化財調査を実施中であります。また、既支出額は平成12年度決算までに用地費等で約63億6,000万円を支出しております。また、ローズタウン住宅団地でありますが、事業年度は平成9年度から22年度までの予定でありまして、現在事業用地の買収がほぼ完了し、埋蔵文化財調査と西地区の基礎造成等を行っております。既支出額は、約91億8,000万円の支出となっております。

【市長公室長(宮地英征)】 広瀬川イルミネーションにおける本市のかかわりでございますが、主催団体であるまえばしライトアップ実行委員会の事務局として前橋街づくり協議会などと連携し、イルミネーションの設置、撤去作業やイベント開催時における人的援助、事業推進の事務など本事業を側面から支援をしております。事業活動につきましては、市民団体であるまえばしライトアップ実行委員会、前橋街づくり協議会などが中心となった市民の手づくりによる自主的な取り組みとして、また中心市街地の活性化としても大変意義深いものであると認識をしております。

【市民部長(長谷川喬子)】 NPO、ボランティアをどのようにとらえているか。また、率先市民活動の認識についてでございますが、NPOとはNPO法に則して認証されたNPO法人だけを指す場合、法人格を取得していない市民活動団体やボランティア団体を含む場合、社団・財団法人などの公益団体や自治会などの地縁団体、さらには共益団体の一部を加えるという考え方もあるようでございます。しかしながら、本市といたしましてはこのようなNPOの定義をする必要性は余りないのではないかというふうに考えております。既にNPOであれ、ボランティアであれ、行政の主導でない形で市民が自分たちの住む地域を住みよく、生活の質を豊かにしていこうという活動が活発に行われつつあり、その活動こそがこれからの社会に必要となってくると考えられるからでございます。率先市民活動の中の率先という言葉には、市民がみずから主体的にという意味が感じられ、本市のこの考えと一致していると感じております。

 次に、率先市民活動に対する支援につきましては、市のさまざまの部署で支援をし、取り組んでいるところでございます。一例を申し上げますと、本年がボランティア国際年ということから、11月第3週をボランタリーウイークと定め、市庁舎市民ロビーにてボランティア活動パネル展、相談会、実演を行うとともに、24日にはボランティア国際年記念事業、元気だ!まえばし・ボランティアの輪を実施したところでございます。この事業は生活課が担当いたしましたが、市だけで企画、立案、実施したものではなく、ボランティア団体であるボランティア団体連絡協議会、NPO等市民活動支援組織設立準備会の人たちが中心となり、自主的に市や社会福祉協議会の職員とともに、いわば市民と行政との協働で実施した事業であり、大変好評でございました。このことは、ボランティア国際年の目的であるボランティアに対する理解を深め、ボランティアへの参加が促進される環境を整備するための一つの足がかりとなったものと考えております。

【2番(中島資浩議員)】 ありがとうございました。第2質問に移らせていただきます。

 まず初めに、五代南部工業団地とローズタウン住宅団地の取り組みについてお尋ねいたします。計画の妥当性について、以下3点ほど疑問点が浮かんでまいります。まず、第1点目はローズタウン住宅団地について組合規約との基本的ずれであります。規約によりますと、前橋工業団地造成組合における住宅団地の造成は、その第1章第3条で工業団地に付随する住宅団地の造成となっておりますが、その造成規模が工業団地の開発規模に見合う適正規模であるのかという点で組合規約との整合性が感じられません。第2点目は、開発時期は適当であるのかという点です。長引く景気低迷下において企業誘致が非常に困難な時期にある中での工業団地の造成、あるいはリストラや失業率のアップ、人口の自然増の期待薄等、現下の厳しい社会経済情勢におけるさらなる住宅団地計画については、時期的なミスマッチを感じずにはいられません。第3点目は、開発規模は適当であるのかという点です。現在造成中のローズタウンは1,300区画と、これまでの事業に比べて開発規模はかなり壮大であります。これは、先刻申し述べた工業団地に付随する住宅団地の造成とする規約上の基本的な問題とあわせて、計画規模そのものが過大であると同時に、現在分譲中のほかの工業団地、住宅団地の販売状況から見てもその開発規模には疑問が持たれます。以上3点についてお考えをお聞かせください。

 次に、広瀬川イルミネーションについてお伺いいたします。現在この事業では、仮設の電源を使用しているために毎年その設置と撤去を行わなければならず、ボランティアで作業される皆様にとって大変な負担となっています。その負担を少しでも和らげ、またその経費を軽減するためにも、市としての具体的な支援として電源設備の整備を行ってはどうかと考えます。この事業は、イルミネーションを施すことが目的ではなく、イルミネーションによるライトアップや関連イベントの実施によって前橋中心街への誘客、集客を目的としております。しかし、年々充実拡大をする一方で、ボランティアだけの力では既に限界に達してきており、実際にはイルミネーションの作業のみで精いっぱいといった状況で、来年以降の事業継続を危ぶむ声も聞かれます。主催者の皆様は、この事業を今後前橋イルミネーション事業として線から面に広げ、前橋を歩きたいまち、行ってみたいまちとなるようにぜひしたいとの願いと大きな夢を持ち、頑張っているところであります。そこで、本市としても施設整備を含め、積極的にこの事業を支援していく必要があると思いますが、今後の取り組みについてお伺いいたします。

 次に、率先市民活動の促進についてお尋ねいたします。先ほどのご答弁の中で、率先市民活動をNPOやボランティアの枠にとらわれることなく、広義的にとらえているとの趣旨のご回答をいただきました。この視点は、これから行政が率先市民活動を側面から支援し、育てていく上で大変重要であり、私も全く意を同じくするところであります。ただ、行政としてのこれまでの取り組みは市民に対する啓発活動が主であり、率先市民活動の促進を図るためにはより積極的な支援施策が必要であると考えます。そこで、第1点目として率先市民活動に対する支援として拠点づくりや業務委託等が考えられますが、率先市民活動の支援に今後どのように取り組んでいくお考えかお伺いいたします。また、率先市民活動が活発化することは、まさに本市の目指す市民参加のまちづくりの理念により近づくものであり、これからの行政施策の中で最も重要な施策の一つであると考えます。現在市民部生活課が率先市民活動の担当となっておりますが、全庁的な総合行政の見地からその促進に取り組むにはいささか限界があるように感じます。そこで、第2点目として組織改革により率先市民活動を推進する、せめて専門係を設置する必要があるのではないかと思いますが、お考えをお伺いいたしまして第2回目の質問を終わります。

【商工部長(大谷秋男)】 ローズタウン住宅団地の規模についての組合規約との整合性でありますが、現在計画を進めている五代南部工業団地や現在分譲中の工業団地等を含めた工業団地に付随するものでありますので、組合規約と整合しております。

 次に、開発時期でありますが、工業団地及び住宅団地はいずれも本市の総合計画に位置づけて計画的に事業の推進を図っているものでございます。

 次に、ローズタウン住宅団地の開発規模でありますが、本市の人口減対策や市民の持ち家志向にこたえるため、5年に1度実施されます都市計画の線引き見直し時期や40ヘクタール以上の開発基準、開発規模などを総合的に検討してきたものでございまして、適正な規模でございます。

【市長公室長(宮地英征)】 今後の広瀬川イルミネーション事業の市の考え方でございますが、この事業は市民主導による主体的な取り組みが大切であると考えております。自分たちのまちは自分たちで創造するといった精神がこれからのまちづくりには必要になってくると思います。したがって、市民によって設備の整備などをすることが事業の趣旨に沿うものと思っております。市としては、ことしの冬のイルミネーションはTMO事業として幅広く展開しておりますので、主催団体等と連携を図り、引き続き側面での支援をしていきたいと思います。また、この事業がきっかけとなって中心市街地の各通りまでイルミネーションが拡大しています。今後の事業展開に大いに期待をしているところでございます。

【市民部長(長谷川喬子)】 率先市民活動へのこれからの取り組みでございますが、多くの人々が当たり前のように活動に参加できる社会となるための方策、また特に次世代を担う子供たちとともに新しい社会を創造する方策、市民と行政、企業とが建設的な協働を推進する方策を市民の皆さんが自発的に考えていくことが大切であると考えております。平成12年6月には、市民によるNPO等市民活動支援組織設立準備会が立ち上がっており、ご指摘の活動拠点の確保、業務の委託をも含め、団体間のネットワークづくり、情報提供、支援のあり方等が広く議論されてきており、提言書として年度内にまとまる予定です。市といたしましてもこの提言書をもとに率先市民活動の支援策等を庁内プロジェクトで検討し、市としてのスタンスを明確にしていくことが必要であると考えております。率先市民活動を推進する部署についてでございますが、平成11年度から市民部生活課がボランティア、NPOの総括窓口となっておりまして、今後も引き続き取り組んでまいりたいと思っております。

【2番(中島資浩議員)】 ありがとうございました。第3質問と要望をさせていただきます。

 まず、五代南部工業団地とローズタウン住宅団地の計画についてお尋ねいたします。現下の情勢から今後の販売見通しはこれまで以上に大変厳しい事態が予想されます中で、このまま計画を推進しますと大変大きなリスクにつながる可能性も考えられます。先ほどのご答弁にもありましたように、既に投資した額については五代南部工業団地が約63億6,000万円、ローズタウンが約91億8,000万円と巨額になっておりますが、幸いなことにローズタウン住宅団地西地区以外ではまだ実質的造成には未着手であると伺っております。今後現計画のとおり事業を推進しますと、五代南部工業団地に約72億4,000万円、ローズタウン住宅団地に約119億2,000万円というさらなる巨額を投入することとなりますので、事業の中止を含め、計画そのものの見直しを行う必要もあると思いますが、お考えをお聞かせください。

 次に、イルミネーション事業について要望させていただきます。先ほどのご答弁での行政としての支援の考え方では余りにも寂しい気がいたします。市民参加のまちづくりは大変すばらしいことですし、私自身今後最も重要な視点の一つであると思いますが、先ほども述べましたとおり広瀬川イルミネーション事業を前橋イルミネーション事業に面的に広げていくには市民の力、ボランティアの力だけでは限界があります。現在イルミネーションと言えばSENDAI光のページェントが有名ですが、資金的には、ある年を例にとりますと、行政が約3,000万円、企業が約6,000万円、市民が約1,000万円負担するような形でこの事業が行われ、多くの観光客が訪れるほどになっております。なお、広瀬川イルミネーション事業については、昨年度において総収入約360万円のうち、その主なものとして企業協賛金は127万円余、県100万円、本市については間接的に80万円、市民による募金が41万円余となっております。中心市街地活性化の観点から、より前向きなご支援をいただきますよう要望いたします。

 最後に、率先市民活動の促進について2点ほど要望させていただきます。まず、事業委託についてでありますが、率先市民活動組織の多くは歴史的にもまだ日が浅く、十分な実績もありませんが、組織の育成という前向きな視点から、ぜひ事業委託の実現に向けてご努力をお願いいたします。次に、組織改革についてでありますが、他市の先進事例もありますので、率先市民活動組織との連携を強化し、本市が取り組んでいる市民参加のまちづくりをより推進するためにも、担当組織の設置について前向きにご検討いただきますことをお願いいたしましてすべての質問を終わります。

【商工部長 (大谷秋男)】 五代南部工業団地とローズタウン住宅団地の事業計画の見直しということでございますが、本市では都市間競争の激しい中、優良企業の誘致を図るための工業団地及びこれに付随した住宅団地は今後前橋市の発展のためにも必要でありますので、両団地につきましては引き続き事業の推進を図ってまいります。

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